肩 腱板断裂
肩の腱板断裂は、肩の腱板の一部が裂けるまたは切れる状態を指します。腱板は肩関節の安定性を保ち、腕を動かす際に重要な役割を果たしています。腱板断裂はさまざまな原因によって引き起こされますが、主なものには以下のようなものがあります。
- 急激な外傷: 肩に直接的な衝撃を受けることで腱板が断裂することがあります。例えば、スポーツ中の転倒や交通事故などが挙げられます。
- 肩関節の過度の使用: 長期間にわたる肩関節の使用や反復動作によって腱板に負担がかかり、徐々に損傷が蓄積され、最終的に断裂することがあります。これは特にスポーツ選手や肩を頻繁に使う職業の人に見られることがあります。
- 加齢: 年齢とともに腱板は弱くなり、柔軟性が低下するため、加齢による腱板の変化が断裂のリスクを高めることがあります。
腱板断裂の症状には以下が含まれます。
- 肩の痛み: 特に腕を動かしたり、肩を負荷をかけたりするときに痛みを感じることがあります。
- 肩の可動域の制限: 腱板の断裂によって肩の可動域が制限され、特定の動作が困難になることがあります。
- 弱さや不安定感: 腱板が損傷すると肩の安定性が低下し、腕の動きに弱さや不安定感を感じることがあります。
肩 インピンジメント症候群
肩のインピンジメント症候群は、肩関節内での組織の挟まりや圧迫によって引き起こされる状態を指します。
主に肩関節の動きに関与する組織が圧迫されることで、痛みや機能障害が生じます。この症候群は肩の上方への動きが痛みを引き起こすことから、「インピンジメント(impingement)」という用語が使われています。
インピンジメント症候群の主な原因は以下のようになります:
- 軟部組織の炎症や損傷: 肩関節周囲の軟部組織(腱や粘液包)が炎症を起こすことで、肩関節の動きに障害が生じ、組織が挟まれることがあります。
- 肩関節の構造的異常: 肩関節の形態的な異常や筋肉の不均衡などがインピンジメント症候群を引き起こす要因となることがあります。
- 過度の使用や運動不足: 肩関節を過度に使用したり、逆に不適切な姿勢や運動不足がインピンジメント症候群を引き起こすことがあります。
インピンジメント症候群の症状には以下が含まれます:
- 肩の痛み: 特に肩を上げたり、物を持ち上げたりする際に痛みが生じます。
- 可動域の制限: 肩を動かすときに制限を感じることがあります。
- 痛みの放散: 肩から腕にかけて痛みが放射することがあります。
- 筋肉の弱さ: 特定の筋肉が弱くなることがあります。
肩の腱板断裂、インピンジメント症候群の治療には、物理療法(ストレッチや筋力トレーニング)、炎症を鎮めるための薬物療法、適切な姿勢や動作の指導などが含まれます。重度の場合は、手術が必要な場合もあります。症状が現れた場合は、適切な診断と治療を受けるために相談することが重要です。
肩の検査 テスト法
肩の検査やテストは、肩の痛みや機能障害の原因を特定し、適切な治療法を決定するために行われます。以下に一般的な肩の検査やテストをいくつか紹介します。
まずは、肩の可動域を評価します。患者は腕を前後左右に動かすように指示され、どの程度の範囲で動かせるかを確認します。制限された可動域は、腱板損傷や関節カルティレージの損傷を示唆することがあります。
ネールズテスト(Neers Test): 患者の肩を内側に回旋し、腕を前方に持ち上げます。この動作中に肩の痛みが増すことがある場合、腱板の挟まれやすさ(インピンジメント)が示唆されることがあります。
ホークンステスト(Hawkins Test): 患者の肩を90度屈曲させ、肘を90度屈曲した状態で内側に回旋させます。この動作中に肩の痛みが増す場合、腱板の挟まれやすさが示唆されることがあります。
ドロップアームテスト(Drop Arm Test): 患者の肩を外側に回旋させ、肩を持ち上げた状態で、ゆっくりと腕を下ろすように指示します。腕をコントロールしてゆっくり下げることができない場合、腱板の損傷を示唆することがあります。
ペインフルアークサイン: 患者はゆっくりと腕を持ち上げ、肩関節が最大の屈曲角度に達したときに痛みが生じるかどうかを確認します。痛みが生じる角度や範囲によって肩関節の炎症や腱板損傷などの問題が示唆されます。
肩関節の安定性評価: 肩の前方、後方、下方方向への安定性を評価します。これには、アームバーサイド、シュルダープレス、ボックスプッシュアウトテストなどの様々なテストが含まれます。